(盗賊)





「ある朝起きてみたらローランサンが猫だった」


「は?」


「という設定から始まる物語。突然のことに僕は戸惑う」


「俺が一番戸惑ってる」


「餌やりに苦労する僕」


「お前の話の流れに苦労する俺」


「意見の食い違いから君は僕の所から去っていく」


「今の俺になんか文句あんの?」


「口にするほどのものはない」


「あそ」


「けれど君は戻ってくる」


「自画自賛」


「最終的に猫になった君と僕はうまくやっていく。僕は最後まで君の面倒をみる」


「決意されても…」


「猫になったローランサン。僕に擦り寄ってくる毛玉…かわいいじゃないか」


「擦り寄らないわボケ」


「擦り寄ってこい毛玉。でも、考えてみたら…僕に擦り寄ってくるローランサンは無理。気持ち悪…」


「自分で妄想して嫌がるの止めない?」


「あ、おはようローランサン。今日も毛並みが乱れてるね」


「毛並み!」


「僕が梳かしてあげようか」


「いらん」


「かわいくない毛玉」


「頭だけな」


「猫になれ」


「はいはいにゃー」


「…キモい」


「言わせといて!」


「ローランサンお腹すいた」


「突拍子もないことばっか言ってんなばかイヴェール!」








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