我が儘王子にお仕えを

(※一応メイド兼恋人設定)


「名無しー」
「んー?なぁに?」
「…名無しー」
「何ー…前髪王子様ー」
「ベル王子だろー」


現在一番窓の大きなベルの部屋。そこから入り込む光が当たるように置かれたソファーに並んで座る。ぽかぽかとした陽射しに眠気が誘われて、徐々に瞼が閉じてきた…。…と思ったら冒頭の会話。ほんとに眠いんだから寝かせてよー…。


「王子放って寝るとか何様だし」
「名無し様でーすっ」
「……………」
「…嘘だから引かないでよ…」


何なんだほんとに…。ティアラ奪い取ってフランに着けちゃうぞいいのか。代わりにカエル被せちゃうぞ!?ついでにそのボーダーの服もフランにあげちゃうんだからな!!


「ね、王子も眠い…」
「じゃあ寝てよ…」
「んー…」


…って…えええ…。ねぇねぇ、寝る場所おかしいよ?どうしてこの我が儘王子は私の膝に頭乗せてんの…。それに、今日スカートなんですけど…動かれたら見えちゃうしっ…。


「名無しの太股………いたっ」
「前髪切りとるよ?」
「はいはい…」
「まったく…」


今日はいつもより甘えたなベルの髪を優しく撫でる。お腹に腕を回して抱きしめてくるベルについキュンと胸が高鳴ってしまう。…このまま溶けて死んじゃうかもしんない。


「名無し…ちゅーして」
「……ぇ」
「早くしてくんねーと…」


うぎゃっ、ベルの手がスカートの中に入ってきやがった。あー、もう…。メイド服はスカートでそれ以外は穿けないし…。というか同じ手で1時間前に引っかけられたんですけど。膝の上でこちらを見ているベルに唇を近づける。ああああ恥ずかしい…もう早く済ませよう…。


「ん…………っ!!?」


軽く触れて離れようとしたら頭を上から押さえられて、もう一度唇がくっつく。深くはしてないといえど、息が出来なくて酸素不足になりそう…。

「…っは……」
「っ……ベルのバカっ…」
「…王子眠くなくなったから相手してもらおーっと」
「わっ!?」


ドサリと横に崩れ込む。瞼を開ければ目の前にはベルと天井。ちょっ…まだ明るいし此処窓際なのにっ…。抵抗しようとしても既にベルの腕の中。もがけばもがくほど逃げられなくなっていく。

「逃がさねぇよ、お姫様…?」

耳元で聞こえたのは我が儘王子の甘い囁き。
一生お仕えします私の王子様。



( 一生って言ったって、もう少ししたらメイドから俺の姫に昇格だけど、)
( しょうがないから一生一緒にいてやるよ、)
( Ti amo…)



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