again

今日は休日。特にする事も無くてソファーでゴロゴロしていたらインターホンが鳴った。生憎家には私一人なので少し休日気分で重たい体を起こして玄関に向かう。


「…はーい…って、アレ?」


玄関の扉を開けてみたものの、そこには誰もいなく、代わりに綺麗に包装された箱が置かれていた。
差し出し人の名前は記されてはいなく少し不安になるも、置いていくのも駄目な気がした為、箱を持ち上げて部屋の中へと戻って行く。

それにしても中身は何なのだろうか。危ない物とかだったら勿論嫌だけど、そうでは無かったら失礼だと感じて開けることにした。
スルスルと綺麗なリボンをほどき、包装紙を取っていく。包装の無くなった真っ白な箱を開けるとメッセージカードと何やら小さな箱が入っていて、まずは2つ折りになっているそれを開く。カードには「Ti amo」の一言。


「愛してる…」
「っ…!!!」


不意に耳に届いた声。この声、何処かで聞いた事あるよ。とても安心するような、大好きで愛しいこの声の持ち主は。

「ベルっ…!!!」

後ろに微かな気配を感じて振り向くも、相手を確認する前に抱きしめられてしまった。
…でも、鼻を擽るこの甘い香りはベルのもの。変わってなくてなんだか安心して頬も緩む。ベルの背中に腕を優しく回して抱きしめ返す。
ああ、ベルだ。大好きなベル。温かい。会いたかった。ずっと任務で会えなかったよね、何ヵ月振りかなぁ。

「名無し、寂しい思いさせててごめんな。でも、今ももう行かなきゃ。王子まだ任務あるから。」
「いや…行かないでベル。一緒に居てよっ…」
「わりい…。」

嫌々と必死に首を横に振るも無駄に終わり、そっと耳に寄せられたベルの形の良い唇から囁かれたのは「愛してる」の一言。
久々に聞いた言葉にボーッと少し浸っていては、気配が無い事にはっと顔を上げる。けれど、もうそこに大好きなベルはいなくて。悲しみに顔を歪めた時、不意に携帯の着信音が鳴り響いた。画面を開けば一通のメール。差出人はベルフェゴール。「またな。」と短く記されたものだと思った、が下に沢山の空白があり、それをスクロールしていけばその言葉に視界が滲んだ。

「またな。


















王子も、ずっと傍に居たい。寂しい。」


ベル、私も。今日だってもう半年振りだったかな。声は聞けたけど、顔は見られなかった。

ねぇ、ベルってさ、どうやって笑ってたかな。何をしたら笑ってくれたかな。ベルの笑顔が思い出せなくなってきたよ。会いたい会いたい。ぎゅって強く抱きしめて、一杯キスして沢山愛してるって言って欲しいし言いたい。
ベル、ベル。またな、って何時かな。私もうベルが居なくて寂しくて死んじゃいそうだよ。早く会いに来て。




(忘れかけた君の温もりを、)
(もう一度思い出させて…)



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