その目が愛を求めたとき 03
また、何度目かのキスをされる。今まではずっと荒々しくて奪うようなキスだったのに、どうして今日はこんなに優しくするんだろう。
ぼんやりとそう考えたとき、乳首をチュッと音を立てて吸われた。それだけで口からは情けなく声が漏れ出てしまった。もう片方を転がすように触られていると唇が下へとズレていく。
キスを落とされながら時折甘い痛みが走って、その度に我に返るのだが、次の瞬間にはそれよりもっと甘い刺激がやってくる。意識はぼやけるばかりだ。
脇腹を触れるか触れないかの微妙なところで舐めあげられると、くすぐったいのにどこか気持ちよくて変な声が出た。それを聞いて不意に小さく笑った高杉くんは、抵抗されないのをいいことに、こちらの履いているデニムのボタンを取ってファスナーを下ろした。
手首はもう解放されている。拘束を解いてもわたしが逃げないと踏んでいるのだろう。最後の足掻きに身動いだけど、がぶりと首筋を噛まれて終わった。
露わになっていく素肌を、羽根でそうされるみたいに優しく撫でられる。頬を寄せられて、軽く吸われて、壊れ物みたいに扱われた。いつもならもうショーツを剥ぎ取られている頃なのにと、逆に恥ずかしく感じた。
内腿にキスを何度もされて、中心へと近づいていくもののそのスピードは緩やかだった。もどかしい。焦れったい。そんな気持ちを抱えながら続きを待つ。
ようやくショーツの上から指でなぞられた。直接触れられたわけでもないのに体が震える。
「やけに感じてんなァ…そんなにイイか? 焦らされんの」
その言葉とともに手が離れていく。こちらの様子を伺うように腿を撫で回すその手のひらが早く敏感なそこへ触れればいいのに。そう考えて、ハッとした。一体なんてことを考えたんだろう。
「触ってほしいんだろ。ココが気持ちいいこと知ってんのはわかってる」
トン、と指で突かれたそこは確かに、触って欲しくてたまらないところだった。くちびるを噛みしめて羞恥心に耐える。
この人はわかって焦らしてるんだ。なんだか悔しさを感じたけど、ショーツの上から撫でられるだけじゃ物足りない。
「…その顔、他の野郎に見せたんじゃねえだろうな?」
また高杉くんの顔が歪む。
その瞬間、膝の裏に手を入れられて両足を持ち上げられた。恥ずかしいところがよく見えてしまうその体勢に抵抗しようとしたけど、力が強くそれは叶わない。
「ほら、脱げよ。触ってほしいところ見せてみな」
それは悪魔の囁きのようだった。鼓膜を揺らして、わたしの理性を削り取っていく。
ショーツのゴムにかけた手は震えていた。ひと思いにグイッと引っ張って膝までずり下ろすと、露わになったそこへ高杉くんの綺麗な顔が近づく。
ごくりと、自分の喉が鳴った。ふう、と息を吹きかけられて腰がうねる。
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