その目が余裕をなくすとき 03
「どうやったらもっと楽しくなりやすかねィ」
太ももに手を沿わせてスカートを捲り上げていくその手つきは昨日の土方くんとは正反対だ。
「このまま入れちまいます? ああでも濡れてねーとこっちも痛いんだった」
さすがに乳首吸ったぐらいじゃ濡れねーよな。そう続けて、ショーツの上からそこを弄る沖田くんは至極楽しそうだった。
ふと思い立ったように、骨盤にかかるゴムに指を引っ掛けてグイ、とずらされる。するすると脱げていくそれを目で追ったら沖田くんの赤い瞳と交わった。この程度では対して興奮もないらしく、余裕が見て取れる。
「諦めてんのかィ? チッ、面白くねー」
しばらくこちらを眺めながら次を考えていたようだが、おもむろに膝裏に手が滑り込む。細そうに見えてやっぱり男の人だ。力では敵わず、あっさりと開脚させられてしまう。
「そのまま開いとかねーとハメ撮りに変更だからな」
中心部をじいっと見つめられるのに足が震えた。羞恥で顔に熱が集まるのがわかる。そういうことをしたことがあってとも顔見知り程度の男の人に自分の恥部を見られるのは拷問に近い。
顔と同じく綺麗な指が、赤い舌のちらつく隙間へと入っていく。沖田くんは自分の指を唾液で濡らして、そのまま躊躇なくいちばん敏感な部分へと触れた。突起に被る皮をめくりあげ、無防備になったそこを指の腹で撫で回された。急に訪れた強い刺激に息が跳ねる。
「別に声出していいんですぜ? ここに来た奴にあんあん聞かせた方がみんな気ィきかせて出てってくれるかもしれねーし」
意地悪く笑いながら動かす手を止めない。唾液のせいで滑りが良くて、正直気持ちよかった。執拗に愛撫されると液が溢れるのが自分でもわかった。
ダメだと頭ではわかっているのに体は素直に反応してしまう。堪えていた声が小さく漏れてしまった。腰が揺れてしまう。もっともっとと誘ってしまう。
「声、出てる。気持ちいいならもっと喘ぎな」
それは慣れた手つきだった。強弱をつけて擦り上げられるのにどんどん追い詰められる。
気持ちいい。気持ちいい。ーーーそれだけがわたしを支配していた。先程まで感じていた恐怖も羞恥も、もうすでに落っことしてしまった後だった。
もっと触ってほしい。もう少しで、…もっと先まで、
「知らねえ男に腰揺らして、やらしー女でさァ」
声なんかもう抑える気もなくて、無我夢中だった。昨日とは違う、的確な快感にあともう少しというところまで差し掛かる。一際大きな声が出始めたとき、それはあっさりと引いた。
ハ、ハ、と犬みたいに息を上げ、待てども再開されることはない。火照った体は刺激を待っている。冷めやらぬ熱を持ったままは辛かった。思わずその顔を見上げるととても楽しそうな表情を浮かべていた。
「なに勝手にイきそうになってんだ、もっと乱れてくんなきゃこっちは盛り上がらねー」
ナカにぐぐ、と指が侵入する。
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