ｼｮｰﾄｽﾄｰﾘｰ

リンゴ　りんご

『クロームちゃんがリンゴを沢山持って来てくれたんですけど、どうしましょう。そのままじゃ食べきれそうにありませんから何か作りましょうか？』

「ホント凄い数だな…;;」

『季節ですからね！リンゴのケーキにタルト…いややっぱりパイがいいですかね？それともリンゴそのものを活かして焼きリンゴとかコンポートとかジャムにするのも…』

「ちょっと待て。なんで甘いものばっかりなんだよ」

『えー…でも料理に果物が入ってるの、皆さん好きじゃないでしょう？』

「そんな事ないけど……誰かがそう言ったのか？」

『だってこの前、酢豚にパイナップル入れたら物凄く嫌そうな顔してたじゃないですか』

「あぁ……それはホラ、パイナップルだったからな」

『…？？……………………………ああ！』

「パイナップルじゃなきゃきっと大丈夫だと思うよ」

『じゃあ色々考えてみますね。はい、せっかくなので先ずはそのままでどうぞ♪』

「(あ…うさぎリンゴ…)ありがとうなまえ」

シャリ…とうさぎに似せてカットされた果実を一口かじれば、口いっぱいに独特の甘酸っぱさが広がった。

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