うたた寝の夢 | ナノ


01  


「パパー!! クリーザ!!
庭で遊ぼうよ!!」
「忙しいので後にしてください」
「む……! じゃ、じゃあ、クリーザは」
「ボクも忙しいから後でね〜」
「き……きいいいいっ!!」

この私がこんなに暇をしているというのに、どうして構ってくれないんだ!?

……パパは、まあ、仕方ないと思う。
宇宙の帝王だからたくさん仕事があってなかなか手が離せないというのは重々承知している。

だが問題はクリーザだ。
忙しいだとか言っているが、私にはカラフルな積み木でお城を作っているようにしか見えない。
しかも何度も手をひっかけて崩してしまっている。
不器用すぎる!

「クリーザー!! 積み木なんていいから遊ぼうよ!!」
「うん、後でね」
「ぐ……」

もう、いい。

もういい!!

「ふーんだ! いいさ! 一人で遊んどけってことなんでしょ!!」

私は怒鳴りながらベー! と舌を出し、
窓から飛び降りて庭に着地した。
上から、後から行くからーとクリーザの声が聞こえてきた。




砂場で一人寂しく延々と山を作っては壊しを繰り返すこと一時間。
クリーザはまだ来ない。

いつまで積み木に手間取ってるんだ!

ため息を一つ吐いて、ふと気づいた。
辺りが暗くなって、どんよりとしてなんだか空気が重い。

不気味だな、雨でも降るのだろうか。

顔を上げると、そこには大きな穴があった。

「……な、なんだこれ…………?」

その穴は浮いているというか、この空間にそのまま穴が空いているように見える。

一体、何の穴だろう?

少しだけ、と立ち上がって手を入れてみた瞬間、

「!! しまっ……」

あっという間にその穴に引きずり込まれた。


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