▼ 7
「随分と驚かせてくれるじゃないか……聞こえるように言ったんだよ」
「アミー、裏切ったな……!」
「元々君と組んだ覚えは」
「マルク。また何か企んでるの?」
この私のありがたいお言葉を遮るだなんていい度胸だねっ!
また、というカービィの言葉が引っかかり、
マルクの返答を待っているカービィとメタナイトに目をやった。
「こういうのは初めてじゃないのかい?」
「しょっちゅうだよ。いつもポップスターをどうにかしたいみたいなんだ。
まあ、誰かと手を組もうとしたのは、今回が初めてかな」
やれやれと疲れたようにそう言うカービィに同情する。
マルクは見かけの愛らしさとは裏腹に、とんでもない問題児だったんだね。
「もういいのサッ」
「ちょっとマルク!」
頬を風船のように膨らませて真っ赤になったマルクはそう吐き捨てて、呼び止めようとするカービィに目もくれずに
すごいスピードで飛んでいってしまった。
*
「まあいい。こんなことをしている場合ではないぞ。陛下がすぐに……」
「アミー、やっと追いついたゾイ! もう逃がさないゾイ!」
「あはは、来ちゃったみたいだねっ!」
「あーあ……」
カービィのだるそうな声と同時に、デデデが私の手を掴んだ。
「見れば見るほど可愛いゾイ!」
私の存在しているだけで世界を救ってしまいそうなこの美貌。触れたくなるのは無理もない。
というか当然だ。
だけど……
「生憎だけど。私は心に決めた人としか手を繋がないと決めているんだよっ!」
そう言って手を振り払った。
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