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瞬間、大王含めその場にいる全員がぽかんと私を見、
メタナイトはため息をついた。
「? みんな、一体どうし」
「いやゾイ!!!」
デデデが私のありがたい言葉を遮って続けた。
「アミーちゃんはワシのものゾイ! ワシは大王、この世で一番エライんだゾイ……!」
「それを言ったら私は次期魔王。私の方がエライよっ!」
「じゃあエライ者同士くっつくべきだゾイ!」
「エライ者同士……? あははっ、笑わせてくれるね!
君と私には天と地ほどの差があって、もちろん君は地の」
「いい加減にするのサ!!!」
苛立ちが混じった大きな声に振り返ると、そこにはさっきどこかに行ったはずのマルク。
うん、うん。わかるよ。
私が魅力的すぎて離れたくても離れられず、戻ってきちゃったんだね……。
「やあおかえりマルク。ああ、ここにも私の魅力にとり憑かれてしまったものががまた一人……」
「はっ……はあ!?」
マルクは信じられないものを見るような目でこちらを一度凝視し、そして気を取り直して大王に目をやった。
「さっきから好き勝手言ってるけど、キミを本当に敬ってるヤツなんてポップスターには一人もいないのサ。いい加減目を覚ませ!」
「なっ……!」
「それに見るのサ……アミーの禍々しいこのまさに悪のオーラを!」
キラキラと目を輝かせてこちらを見るマルク、そして頭にはてなマークを浮かべているその他。
「あ……あは……ははは…………」
予想外の展開に、引きつり笑いが漏れた。
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