両難
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「ここね」

話しているうちにたどり着いた宮殿内の一角にある屋敷の扉




この場合、屋敷という言葉があうのかはわからないけれど、日本風に言えばここもここで大豪邸の域だ

またまたここも重厚な扉でごくりと固唾を飲み込む気持ちで見つめる



「リオンさんどうします?」

「え?」

心配そうにアメリアさんに問われ、最後まで付いていくつもりだった考えを少し改める

アメリアさん自身は完璧に罠と思っている節があるし、ここで中まで入ってしまったら足でまといになってしまいそうだ






「では、ここら辺を少し散策しています」

「そーする?じゃあ行ってくんね」

「お気を付けて」


リナさんの同意を得て、ドアから一歩距離を置く


「失礼しまーす!何方かいらっしゃいませんかー!?」


ドアを開けて入っていくリナさんとアメリアさんの後ろ姿を見送った






「ふぅ‥‥。」

思わぬ自由時間にこのだだっ広い宮殿内を思いどう過ごそうかと考える

フィリオネル殿下はこの宮殿内如何なるところに出入りしていいとのことだったけれど‥‥


少し遠くまで出歩いていいだろうか

既に夕焼けを通り越して薄暗くなりかけている空を見上げる

一度、行ってみたかったんだよね。


セイルーン聖なる結界の中心地

行き先を思い切って決めると取り敢えず道を尋ねる人を探そうと歩き出した




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