両難
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「リナさん。本当に行くつもりなんですか」

「もちよ!」

「でも、あの手紙の差出人ってちょっと考えられません
絶対に彼の名を語った罠です」

「心配ないって
罠なら罠で事態もちっとは変わるでしょ」







“暗殺事件の首謀者について情報あり。左記の場所にこられたし───・・”



その内容の手紙が届けられたのは会議室での話し合いの後、テラスでお茶をしていた時のこと

実際これからどう動くかを相談していたときのことだ。



カンヅェルが怪しいっていう意見が皆一致したはいいけれど、証拠が出なければ意味がない‥‥

ということで、今回届いた手紙に何かの事態の動きを期待してやって来たというわけだ

夕焼けが染める宮廷内を珍しさにキョロキョロしながらリナさん達の後ろを歩く





「私たちがいない間、ゼルとガウリイがフィルさんを守ってくれるし
あとはこっちの情報とやらを確かめるだけよ」

「あの、そして私が付いていく意味は?」

「あー‥‥気にしない気にしない!」

「もし何かあれば自身の身を守ること一番に!ですよリオンさん!」


アメリアさんにガッツポーズで言葉を掛けられるが、苦笑いしか出てこない

確かに、狙われてる可能性の高いフィルさんと一緒にいるより安全?なのかもしれないけど


罠‥‥と思われる場所に付いていくのも気が引けちゃうわけで

まぁ、リナさんに声を掛けられた時点でこの場から逃げ出すことは出来ませんし
自身も身を守れる手段が欲しくて刀を手に入れたわけですし‥‥



変わった剣だなーと興味津々に皆さんに調べられた刀の柄をそっと握る

ガウリイさんと試しに手合せなんてほんとトンデモナイ話デス



「皆さん大変なんですし。自身のことぐらい自分で守れるようにしなきゃ‥‥ですね」

「だからって無理は禁物だけど、ね」

「はい」

少し心配そうに気遣ってくれるリナさんに笑顔を向ける
こうやって優しい人たちに守られて心配ばかりかけていられない

そういう世界に来たんだって覚悟を決めなきゃ




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