両難
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「あの、フィリオネル殿下。
大変な無礼を働いてしまったとのことで‥‥なんと申し上げたらいいか‥‥」


「この娘さんがリオン君か」

「え、はい。」

「怪我が無さそうで何よりじゃ。
リナ君たちに聞いたところ一般人と言えるお主をこの事態に巻き込むのは気が引けるがリナ君一行と行動を共にする以上迷惑をかけると思う
申し訳ないがよろしく頼むぞ?」

「は、はい!」



王子様にしてしまった無礼をどうしようかと頭の中の大混乱に気付いてくださったのか、優しくかけられた言葉。

俯いていた顔を上げると優しく笑いかけてくれた


めっちゃくちゃいい人なんだ‥‥。






昨日の街の人々の落ち込み方は殿下が亡くなられたという情報が流れていたからだと聞いた

それだけ人望のある方なんだ。


王様、王子様と言うと堅苦しい人たちを想像していた分思わず感動してしまった







落ち着いたところで何も知らない私は昨日今日で起こっていることの顛末を聞いた


フィル王子暗殺騒動に突然襲ってきた魔族

「って、魔族ですか!?」




文献で読んで魔族の危険さは嫌というほど身に付いた‥‥というより知識にある

ただの人間がそう簡単に勝てる相手ではないのは確かで


「そう。とにかく、一刻も早くこの事態を収拾させなきゃね」

「うむ。
取り敢えず皆はわしのボディガードとしてこの王宮のいかなるところにも立ち入ることが出来るよう手筈を整えておいた」

「でも、事件が解決したら頂くものは頂ますからね」


リナさんがクールだ‥‥と取引を進めるその姿におおと感心する




「そういうだろうと思っておったわ。心配するな皆への報酬はわしが保障しよう!」

「でぇ?いかほどにぃ〜?」


金額の話が出てくると突然目を輝かせるリナさん




私だけずこっとなりかけたが、ゼルガディスさん達はこんなのいつものことと表情を変えていない

流石と、言えるのかな。これも。



「これくらい‥‥」

「なぁ!けちぃ〜!!」


リナさんがどこから引っ張り出してきたのか‥‥そろばんを受け取り打ち始めたフィルさん。
その提示金額に、一国の王子相手にケチと食って掛かるのは流石リナさんだ



「魔族からんでるし‥‥大変だしぃ、こんなもんで」

「ななな!なんとぉっ!!」


リナさんがそろばんを打ち、その提示した金額にフィルさんが目を向いた

どんな金額を提示したんだか。



まぁ、魔道士は色々と入用なことが多いのは最近わかったけど。


魔法の店(マジック・ショップ)での買い物はそこらの金持ちな富裕層を一気に路頭に迷わせるものを売っているというし。



ほんとに恐ろしい。






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