霧中
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「なるほど、ね‥‥
流石は白魔術で有名な聖王都。
寺院や図書館を回るだけで何日かかるか‥‥」

「取り敢えず、大きな所から回っていきます?」


街中のカフェのテラス席

そこで私は朝食を取りつつ今後の予定を話し合っていた



都市の上に白魔術で有名、ということもあって文献が果てしなく多い

そのなかで異界黙示録(クレアバイブル)の文献を探すのは果てのない作業だけれど、探さないわけにはいかない


リナさん達は問題に巻き込まれててそれどころじゃないんだ。私がしっかりしないと




そうして訪れた図書館


「わぁ‥‥」

小さい声で感嘆の声を上げる

すっごい文献の数

とにかく私の最初の目的は‥‥


「ゼロスさん。歴史や魔術、この世界のことについて調べてきていいですか?」

「広い館内で迷子にならないなら」


やた!

迷子なんて子供じゃないんだから
なんだかゼロスさんに子守をしてもらっている様な言動が多い気がする

そんなことはさて置き
許可をもらった事だし本棚に直行して本をかき集め、本の山を作りながら知識を集めることに集中していった






────・・


「ふぅー‥‥」

すこし休憩しよっと

ぐぅっと凝り固まった体を解すように椅子に座ったまま伸びをする


いくら本を読むのが早いとは言え、これだけの量を読むには結構時間かかったな




きゅる〜〜るる


「‥‥‥‥。」

うん。もうお昼の時間なんだなと腹時計が明確に悲鳴を上げる


「えっと、ゼロスさんは‥‥」

大量の本を本棚に直しながらゼロスさんの姿を探す


「満足しました?」

「ひゃっ!?」


ドサドサドサっ

「リオンさん〜ひどいじゃないですかぁ〜」


背後から声を掛けられたことで本を放り投げてしまいそれが全てゼロスさんの頭へと降り注いでしまった


「ご、ごめんなさい」

「なんだか謝っていただけるのが逆に新鮮に感じますね」


その言葉が可笑しくてくすくすと笑う
確かに。リナさんは心配はするけど絶対に素直に謝りはしないかも



「ここの文献で調べたいことは一通り調べることが出来ました」

「では、移動しましょうか」

「はいっ」


ぶちまけてしまった本をゼロスさんと手分けして直し、図書館を後にした



移動途中、再び私のおなかが鳴ってしまった事で昼食を挟み

今は少し市街地から離れた丘へとやってきていた



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