霧中
(6/8)
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「ふぁ‥‥」

意識が覚醒し、のそりと起きる

朝日が差す、光が眩しい黎明の時間
まだまだ時間は早いけれど、疲れていたからかぐっすり眠れた



「‥‥ゼロスさん?」


昨日いた筈の位置にゼロスさんの姿が無いことに気付く

流石に自分の部屋に帰った‥───「はい?どうしました?」



‥‥‥‥‥‥‥。






「あの、あれから一晩。ずっといらっしゃったんですか?」

「いえ、早くに目が覚めたのでお邪魔させてもらいました」

「そ、そうですか」


取りあえず、安堵する
いや、普通安堵しちゃいけないとこかもしれないんだけど


部屋のドアの近くの壁に優雅にもたれていた姿に小さく戦慄を覚えたのは仕方ない

もう、深く気にするのはやめよう



「今日は何をするんですか?」

ベッドから降り立ち、身支度を整えながら問いかける


「お待ちかねの寺院や図書館を回ろうかと」

「本当ですか!急いで支度をしますっ
‥‥ゼロスさんは一階で待っててくださいね?」

「いや、お気になさらず‥‥」



「ね?」




こちらが笑顔でお願いすると大人しく部屋を出て行ってくれた


これから着替えるのに何を気にしないでいようと言うんだ

それにしても最近のゼロスさんの行動は実に不思議だ



昨日もリナさんへの合流は拒まれるし、執拗に一緒に居たがるし。

異様に防御力高そうなガッチガチのアーマー着けられそうになるし

そのアーマーが重くて動きが鈍るとわかれば、次はショートパンツ執拗に勧めてくるし




首を傾げて暫し考えるも謎の神官様の考えなんてわかるはずもなく支度を急ぐことに専念した




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