霧中
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「つ、疲れました‥‥」

「お疲れ様です
買い物を満喫できましたし、そろそろ宿を探しましょうか♪」



広場らしきとこの噴水に腰かけて休憩をとる。


荷物も多いし、早く慣らすために武器をずっと帯刀していたからか足ががくがくしてる

街に来てここまで歩くとは。広い街も考え物だ




それにしても


「ほんとうに似合ってますか・・・?」




ゼロスさんの買い揃える、というのは武器のことじゃなく私の装備一式のことを指していたらしい

確かに、これから武器を持って戦うのなら凹ネック半袖Tシャツに七分の細身のジーンズにスニーカーでは具合が悪い


もともとこの世界に来たときは上にシフォン生地のチュニックを重ね着ていたのだが血がこびり付いていたため断念したのが苦い思い出として真新しい。


「とーっても似合っていると思いますよ?」

にこにことそう言われると無性に恥ずかしくなる




凹ネックの半袖Tシャツはそのまま、丈の短いタンクトップを重ね着。

タンクトップには正面のスリットにワンポイントとして宝石の護符(ジュエルズ・アミュレット)がはめ込まれている


ジーンズはやめて、丈夫な生地のショートパンツ

その上に太いベルトを掛けるように付けて、背中にはウエストポーチ
そして、同じくベルトに差した刀。


足元は膝丈のロングブーツに風の属性が刻まれた宝石の護符(ジュエルズ・アミュレット)。

その護符の力のおかげでびっくりするくらい軽くて、防御も上がってるんだとか。



確かに、マントは嫌だと言いましたけど。


「ちょっとズボンの丈短すぎやしませんか?」

「いいじゃありませんか♪」


否定しないってことは狙ってやったのか。





「今日はもうリナさんたちと合流しないんですか」

「ええ。どうやらそれどころでは無さそうですので、今日は分かれて宿をとりましょう」


状況を見てきたような言い方だ。
‥‥黙って来てしまったから、心配していないだろうか


そんな私の心配を他所にサクサクと宿を探そうと歩きだすゼロスさんを慌てて追いかける。


でも、疲れすぎてて足が上手く動かせない


そりゃそーか、と項垂れる。セイルーンシティについたのは今日の朝方。歩き詰めだ。


でも、同じ条件のはずのゼロスさんに疲れている様子は全くない




こうなったら

「浮遊(レビテーション)」



力ある言葉を放つ。
用途がずぼらな気もするけど、使えるものは使わなきゃもったいないし。

それに魔力をコントロールする練習にもなるし‥‥言い訳くさいかな。

まあ、いいよね。


ふよふよと浮きながらゼロスさんの後を追いかけた




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