余徳
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やっぱり科学が発達していた世界にいた私には魔術とはまだ現実感というか‥‥

信じられないというのが正直な話





自称天才魔道士というだけあって、素人から見てもリナさんの魔術に対しての技術、知識は凄いものだと思う。
ゼルガディスさん。アメリアさんもかなりの魔術の使い手だ。
彼らの使う魔術には毎度目を瞠る。

ガウリイさんは魔力は殆どないらしく
その人の素質ってものがやはりかなり左右しているみたいで



せっかく、魔法の使える世界に来たんだ。
使えるようになってみたいに決まってる。


「ゼロスさん、ご教授お願い出来ますか」


「‥‥そうですね。いいでしょう」







そして、月明かりの射す少し広けた場所へ移動してから始まった講義。

ゼロスさんが教えてくれる内容を漏らさないよう一語一句頭に叩きこんでいく。



彼が教えてくれる内容はすごくわかりやすくて
そんな私の記憶力にゼロスさんは舌を巻いてくれる、認められて行くようで嬉しくて
もっと知識を貯めたいと思った。

元々私は勉強、というより学ぶことが嫌いじゃない。
だからこうやって教わるのが楽しくて




基本人間なら誰でも用途は何であれ簡単な魔術は使えるんだという。


生活の術として一般の人でも使っている事が多く。
少しの知識があれば簡単に使えるんだとか

でも、魔術は奥が深くて、魔道士の人たちはその術の特性を理解して術のアレンジをしたり、研究したりして今も発見されている魔法が全てじゃないんだとか。



「やっぱ何にしても簡単に習得出来るものじゃないんですね。」

持ってきていたノートにペンでさらさらと内容をまとめていく。
因みに文字の方は先ほど剛速球で終わらせた書き方の本のお陰で習得済み

すらすらとまとめ終わるとこれでいいのかなと確認の為ゼロスさんに見てもらう。

やっぱり間違っていないかと内心びくびくするもので、全て読み終えたのか「ふむ」と漏らした声に恐る恐る顔を上げると突然、頭を撫でられた。


「ふひ‥‥っ」

「えらいですね。今教えたところは完璧です」

いや、嬉しいんだけど‥‥!
でもね!?突然慣れてない、頭を撫でられた私は緊張に動きを硬直させた。

待って、先生が生徒によく出来ましたって頭を撫でるのは普通よ。普通。
だから落ちつけ私!!

殿方の手が少し無骨な感じなんだとか、優しく撫でてくれる手が心地いいとか、ひんやりしてる手が気持ちいいとかそんなのは頭の端に追いやらなきゃ駄目だ。リオン!
てゆか、無意識にリナさん達にもこんなことよくやってますよねゼロスさん。
あんたプレイボーイですか?



だからアメリアさんに悪とか言われちゃうんですよ。




深くふかーく深呼吸して、気を乱さないように私は次の授業に打ち込んだ。


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