殷賑
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えーと‥‥どうして私は今、湖に浮かぶ船に乗っているんだろう。



確か。料理を食べにお店に入って‥‥そうなんです。
そこでまた見事にトラブルに直面したんですよ。


意気揚々とドラゴンフルコースを頼んだリナさんたちにお店側は偽物のひどい味の料理を出し、それにキレたリナさんは意地でもドラゴン料理を食べるために材料を仕留めに来たと‥‥。

ちょっとした好奇心で味見させてもらったけど確かにあれはひどい味でしたよ。


でもね。


まず、つっこみたいことは‥‥ドラゴン料理出せないなら店の前のお品書きに書くんじゃねえって訳で

あと、お客であるはずの私たち‥‥しかも私まで何故こんなところまで来ているんでしょう。
材料調達にまで手を貸すってどんだけ食い意地はってるんですか。



「ふぅ‥‥」

今更うだうだ言っても仕方ないよね。
腹をくくるしか無いか‥‥


「狙うはレイクドラゴン!この湖に住む最高の食材」

意気込む料理長アシュフォードさん。
リナさんにドラゴン料理を約束した張本人。


「ゼロスさんはいつの間にかいないし‥‥」

逃げるんだったら私も逃げたかったよ‥‥

再び小さなため息を吐いた。




それにしても綺麗な水で満たされた大きな湖。
湖上を流れる風‥‥船上に吹き抜ける風がとても気持ちいい。

それを思えば暫くの旅の疲れが洗われるようだ。
ぶわっと風が髪をさらい視界を遮る。慌てて髪をおさえた


「いい風ですねぇ‥‥」

「おまえさんも付いてきてよかったのか?」

「成行きのまま付いてきちゃいましたから」

ほんとに命の危険を感じる事態になったらどうしよっかなぁなんて事を呑気に考える。



「まずはこの『対ドラゴン用ネット』で勝負!」

「対ドラゴン用って‥‥何か仕掛けでもあるの?」

アシュフォードさんのドラゴン対策にリナさんは興味深そうに問いかけた

「もちろん。対ドラゴン用にデカくなっておる!」

「それだけ‥‥?」


リナさんの呟きと共に大いに不安を感じたのは私だけではないと思う




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