殷賑
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街に入り大通りをみんなで揃って歩いて行く

私がこの世界にきてまず感動したこと。

それは街の活気だった。



元の世界でも確かに活気はあったと思う。池袋とか、原宿とかね。

でも、色が付いてなかった。


この世界は人の活気。力が溢れている。

唯の街でも村でもそれがすっごく綺麗に思えて
だから一つ一つの街を訪れるのがすごく楽しい。


「ん?」

今。気づいた。

セイルーンという首都に近づいてきているから、街も大きい。

セイルーンという国。

そのセイルーンという名を名前の中に持つ少女。



つ・ま・り?

ちょいちょいとゼロスさんの服の裾を引っ張ると少ししゃがんでこちらに耳の高さを合わせてくれる。

耳打ちするようにひそひそと話す

「あ、あの!セイルーンって‥‥アメリアさんの」

「ええ。アメリアさんは第二王女ですよ」



まじすか。


だからあんなに誇らしげに名乗っていたのか

知らないうちに王女様と知り合いになっていたなんて

ああ‥‥なんだか私の世界では起こりえないことばかり‥‥



「おなかすいたねぇ‥‥」

「そういやそーだなぁ」

「うっしゃ!ここらでいっちょ飯にしよっかー!」

確かにずっと歩きっぱなしでお腹空いたかも

ゼルガディスさんもよかろうと賛同している
でも、何処のお店入るんだろう?

「あ!リナさんこれっ!」

「ん?」

アメリアさんがお店のメニューを見てリナさんを呼んでいる。

興味本位でリナさんと一緒に覗きこんでみるとなんだかトカゲのような絵が書いてある。

「ここに書いてある料理」

指をさしたところはそのトカゲのような絵の真上。



えーっと‥‥ドラゴンの‥‥って値段高!!

へ‥‥?ドラゴン?


「こ‥‥これはもしかして‥‥究極且つ至高。
そして幻の高級珍味と云われる‥‥

キング オブ ザ ディナー !!

その名もドラゴン料理!!」


隣を見やるとリナさんはブツブツと唱えるようにつぶやいた後凄まじい勢いで叫んだ。

バックで雷が落ちる効果が見えたのにびくぅっと肩を縮こませる
きっと気のせいだ。そう、気のせい。


彼女は自らの知識を披露するように饒舌に語りだす。

その内容から兎にも角にもそれがとてもとても高級で美味な代物だとわかった。




しかも  珍味  だと



「うまい料理が食べたいなら繰り返せ!
ドラゴン料理はレイクドラゴン!!
‥‥よし!きまりー、今日の昼飯はここのドラゴンフルコースにけってー♪」

ドラゴン料理。

こんな高価そうなもの食べられるなんて‥‥。
でも、身の丈に合わないもの食べたらお腹壊しちゃいそう
しかも‥‥やっぱりまだリナさんたちと同じ食事の席に着く度胸無いしなぁ


みんなが「おーっ」と賛同する中ゼロスさんに困ったような視線を向けると肩をすくめて行きましょうかと促してくれた。
その反応に思わず笑ってしまう。


ゼロスさんが居てくれる間はそちらに同席させてもらお

そうして私はドラゴン料理のお店へと足を踏み入れたのであった。


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