邂逅
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きょときょとと目を瞬かせれば、目の前に来ていた栗色の髪の女の子は少々苛立ったように私に話しかけた

「ちょっとあなた。あんな所でどうしてあーんな重症で倒れてたのよ」

「野盗に襲われたんじゃないのか?」


見知らぬ森の中、重症で倒れていた私が言えたことでは無いが、この人たちコスプレしてその上独特の世界設定でも築き上げているのだろうか

「現代で山賊なんているわけないじゃないですか。」

助けてもらっといて失礼だけど、空想世界にまきこまれるわけにはいかない。
早々に現実世界に戻ってから話してもらわなきゃ


「はあ?山賊なんてそこらにごろごろしてるじゃない。」

「いや、最近じゃおまえさんのおかげで絶滅危惧種とされているけどな」

「ゼル。細かいこと気にしちゃ負けよっ」

「そうですゼルガディスさん!悪は滅びるべき運命だから仕方ないんです!」

「‥‥えーっと」

この人たちの名前といい。彼女たちの姿はありのまま、ということなのだろうか。


「おい、リナ。その子がお前のせいで怯えてるじゃないか」

「ちょっとガウリイどーいうことよ!!」

「まーまーリナさん。いいじゃないですか
お嬢さん。お名前は?」

彼女たちの勢いに目が点になっていると、それを察してくれた金髪長髪の美形が窘めてくれた。
その後の金髪さんの扱いは散々なもので、それを見かねた黒尽くめの彼が話をこちらに振ってくれた。凄く勢いのある人たちだ。

そしてこの黒尽くめの人、なんか作ったような美形のニコニコ細目だし。
あんまり、好きじゃないというより怖いな‥‥この人。ざわざわするし。


でも、せっかく話を振ってもらったんだから答えなきゃ



「想夜 リオンです」

「ソヤ?変わった名前ね」

「えっと、リオンが名前で想夜がファミリーネームです」

「ほう‥‥?」

「ファミリーネームが前に来るなんて珍しいですねー」

う‥‥みんながすごく興味深そうに見てきた。どうしよ‥‥
冷汗が垂れてきそうなくらい焦る。

てゆかしつこい様だけど、日本語話してるのに西洋風の名前なの?

「せっかくだしあたしらも自己紹介しましょっか
リナ=インバースよ」

中心となって話していた栗色のくりくりとした目を持つ女の子が自己紹介を始めてくれた。
よろしくと差し出された手を握る

「リオンさん!リナさんの名前を聞いてなんとも思わないんですか!?」

「そう言われちゃいましても‥‥」

堂々としているし‥‥彼女はそんなに有名人なのだろうか?

「奇特な奴もいたものだな。コイツの名前を聞いて怯えないとは」

「はぁ‥‥」

「よけーなこと言わんでいいっ!」

冷汗を垂らしながらのリナさんのツッコミに一度その場は収拾される。




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