邂逅 (3/6)
「‥‥‥‥‥‥つぅッ!!」
がばり!と起き上がる。
咄嗟に辺りを見渡せば見知らぬ部屋で一人、私はベッドの上にて肩で息を吐いていた
一つ、冷や汗が頬を伝う
それだけ夢見が悪かったって事だろうか‥‥‥
寝起きだって言うのに妙に意識がはっきりしていることと関係あるのかな?
‥‥それともやっぱりさっきの夢「あのぉ‥‥」
「!?」
目の前に黒い塊‥‥いや、人影が突然話しかけて来たことに驚いた
いや、うん。ホントにびっくりした。
全然気付かなかった‥‥。
「大丈夫ですか?」
「え、あ‥‥はい。」
心配の声を掛けてくれる黒いシルエットの彼は初対面の‥‥はず。
なんだか、彼の姿を見ていると体の奥にある何かがざわざわする‥‥。
なんだろう‥‥?
「何か僕の顔についてます?」
「あ‥‥いえ、失礼しました。」
無意識の内にじーっと彼を凝視してしまったらしい
うーん‥‥どうしたものか
初対面の人と話すのは得意じゃないし‥‥、まず今の状況がよく呑み込めない
「あの、ここは何処ですか?」
今いる部屋はぼやけた視界でざっと見た感じ、物語に出てきそうな宿屋の一室といった風だ。
「セイルーン西方のとある村です。」
‥‥外国?しかも村?
ということは民宿ってことなのだろうか。
でもそんな国の名前聞いたこと無い。
まさか島流しまでされたのかな‥‥私。
いや、待って待って。
まず外国なら言葉が通じるわけないでしょ?