終焉 (6/6)
ここは道路沿いの高層ビルの屋上
落ちたらまず命は無い
どうせ散る命なら
男のバットが当たる瞬間
私は後ろ手に足を蹴り
自ら無重力へ 飛び込んだ
ガツンッ
脳裏で鈍い音が響くのがわかった
衝撃で更に私は後方へ飛んでいく
夜の街に落ちていくのがスローモーションのようで‥‥
ただ 生きたかっただけなのに‥‥
1つの願い叶うことなく
絶望ばかりが身体を巡り
ただ 堕ちる
夢と現の境目の中
不気味なほど美しい
紫色の妖艶な輝きを放つ月を見つめながらに感じたのは
私という命の 【終焉】 でした
◆終焉 −ヒトツノオワリ−
一人の少女の死。
ひとつの物語の終焉