06

頼んだお好み焼き__全12種類__を全て食べ終えた火神に戦慄している黄瀬と緑間を見て苦笑する。千秋や黒子にとってはもう今更のことなのでさして驚きはしないが、食べ過ぎなのは事実である。食い盛りだからか。いや、ただ単に大食いなだけか。

「火神、ひとつ忠告してやるのだよ」

緑間はそう言って席を立った。もう帰るつもりなのだろう。雨の音も少し前に止んでいる。

「東京にいるキセキの世代は2人。俺ともう1人は青峰大輝という男だ。決勝リーグで当たることになる。そして、奴はお前と同種のプレイヤーだ」

『青峰大輝』。その名前に黒子が微かに表情を暗くした。

「……よく分かんねーけど、とりあえずそいつも相当強いんだろ?」
「強いです。…でも、あの人のバスケは……、好きじゃありません」

昔の仲間のことを話すにしては堅い表情に火神は疑念を抱いたに違いないが、その場では何も言わなかった。

「…まあせいぜい頑張るのだよ」
「緑間君! また…、やりましょう」
「……当たり前だ。次は勝つ!」

緑間は背中を向けたままそう言い残すと、扉を開けて出て行った。


誠凛高校、インターハイ予選トーナメントAブロック優勝__決勝リーグ進出である。





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