番外編 | ナノ




おまけ--



『んんっ…ぁ…ほ、ずき…さま…っ』


どんどんと深くなる口づけに、琴音が思わず声をもらすと、ようやく唇を離された。


しかし、それに安堵している暇もなく、自身の体が宙に浮いた。


『ほ、鬼灯様!?』


驚いて、自身を抱き上げた張本人を見ると、彼は真剣な目で琴音を見つめた。


「すみません、もう我慢できません。」

『え…』

「あなたが欲しいです。いいですよね?」

『!!』


はっきりと"欲しい"と言われ、琴音は頬を真っ赤に染める。


((そんな風に言われたら、断れないじゃないですか…。))


琴音は小さくため息をつくと、鬼灯を見据える。


『優しく…してくださいね。』

「……できるだけの努力はします。」

『えっ…!そ、そこは"はい"という所なのではないですか…!?』

「あなたを前にして理性を保てという方が無理な話なんです。ですから、できるだけの努力はしますと言ったんです。」

『!』


((またそんな言い方を……))


琴音は少しうつ向くと、観念したように鬼灯の肩に赤くなった頬を預けた。


『ずるい方…。』


ぽつりと呟いた琴音に、鬼灯は満足げな笑みを浮かべると寝室へと歩き出した。




END*
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