*おまけ
『白澤様が助言なさっていたなんて、驚きました。』
帰り道を歩きながら嬉しそうに笑う琴音に鬼灯は少し眉を潜める。
「その話はもういいでしょう。」
『でも、そのお陰で鬼灯様は私の家に来てくださったのでしょう?』
「まぁ…それは認めたくないですが、そうですね。」
『ふふ、じゃあ白澤様は私たちのキューピッドですね。』
「でも今は違います。逆に私たちの敵です。ですから、気を付けてくださいね?」
注意する鬼灯に苦笑しつつ、琴音は"はい"と返事した。
それでもまだ緩んでいる琴音の頬を鬼灯は軽く摘まむ。
『な、なんですか?』
「頬が緩んでますよ。」
『だ、だって、嬉しいんです。』
「嬉しい?」
『はい。鬼灯様と白澤様の仲がよ……んっ!』
言いかけた琴音の唇を鬼灯は自身のそれで塞ぐ。
「それ以上は禁句ですよ。いいですね?」
突然口づけられ、驚いた琴音は頬を染めつつ、こくりと頷く。
そんな琴音を見て、満足げに笑うと、鬼灯は彼女の手を引いて再び歩き出した。
END*
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