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「拓真さんに報告するから一緒に来い」




そんな和也くんの有無を言わさない言葉に、わたしはただ頷くだけ。


夏休み最初の暴走以来の倉庫は、あの日と何も変わっていなかった。


そこにいる面子も相変わらず怖くて、バイク音も相変わらず響いている。


わたしを乗せた和也くんのバイクが倉庫に到着すると、ちょうどVIPから出てきたゆきみと拓真。


たぶんこれから帰るってそんな雰囲気。


和也くんを見て走り寄ってくるかと思ったゆきみは、拓真に手を繋がれていて、ただ視線をこちらに向けているだけで、何も言おうともせずで、そんなことに違和感を感じてしまう。


けれど、拓真と一緒の時はそうなのかもしれない。


結局、ゆきみの一番は拓真で、和也くんもそれを分かっている。




「拓真さん、すいません、ちょっとだけいいっすか?」




申し訳なさそうにそう言う和也くんに、拓真はほんの一瞬だけ視線をゆきみに向けるも、すぐにゆきみに顔を寄せて小さく口にする。




「ゆきみ、バイク行ってろ」




言われたゆきみは複雑そうな顔のままジッと拓真を見つめているからか、見かねたように和也くんが口を開いた。




「ゆきみさん、ごめんね」


「…うん」




わざわざゆきみを話から外すのは、わたしが関連しているからなんだろうか?


和也くんの少し後ろにいたわたしは、和也くんの腕に引き寄せられて、拓真の前まで連れて行かれた。






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