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「カップルシートでいいですか?」




プラネタリウムのチケット売り場で店員さんからそう言われた。




「カップルシート?」


「はい、二人だけの空間になってるんですけど、そこなら空いています。他はもういっぱいで…」


「じゃあそこで。ツヨシいい?」


「…あぁ」




あれ?

何か不機嫌?


ツヨシの顔があまりいい感じに見えなくて、だからわたしは不安になってしまう。


でもそこしか空いてないなら仕方ないし…「ダメだった?」そう問いかけると眉毛を下げて気まずそうにツヨシが笑った。




「構わねぇよ。見てぇんだろ?」


「でも、そんなつまんなそうな顔するから…カップルシート嫌だったのかな?って思う」




ブー垂れた顔で頬を膨らませるわたしの髪にクシャっと手が触れる。




「嫌じゃねぇーって、バーカ」




ぶっきら棒なツヨシの笑顔に、また胸がキュンっと高鳴った。







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