■ C



「沙和、さっきなんて言おうとしたの? 確か…ツヨシずっとユカリのことす…きだったの?」


「んなっ!!」




バッと顔を更に赤くしてツヨシがわたしから身体ごと逸らす。

手持ち無沙汰のせいか、落ち着かない様子で、思い出したかのようにポケットから煙草を取り出した。


背けている耳は真っ赤で、そんなツヨシが可愛いと思う。




「好きだ」も「付き合おう」も特に何も言われていないわたしは、それでも倉庫に行けなくなってしまったからか、色んなところに連れて行ってくれるツヨシに愛を感じずにはいられなかった。


確信があるわけではないけれど、ほぼ90%ツヨシはわたしを好きでいてくれたって勝手に思っている。


それがいつからかとか、どんな理由でとか、そんなことはいらなくて、今こうして傍にいてくれるツヨシを、この数週間で確実に意識し始めていた。



ドキドキすることも勿論あるし、ツヨシに触れられると、胸がギュって痛い。


でもそれはキュンって感覚で、それを感じる度にわたしはツヨシを好きになっているんだって、そう思うんだ。








- 82 -

prev / next

[TOP]