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目の前の沙和は真っ赤な目からポロっと涙を零す。

そんな沙和を見ていて、わたしまで泣きそうになってしまう。




「沙和、ごめん…ありがとう」


「聞いてユカリ…」


「うん？」


「ツヨシね、ずっとユカリのこと…す」


「なんの話だ、おい」





フワっと香るフレッシュな匂いにわたしは顔を上げると、汗だくで真っ赤な顔をしているツヨシが目に入って、すぐにわたしの隣に座った。


遅れてミツルくんがニヤついた顔で沙和の隣に座る。




「は、早くない？あたしユカリに話しあるから二人っきりにしてって言ったよね、ミツル？」


「いや、悪り、何となく話の内容気になって…」




後頭部に手をまわしてサラサラのオレンジ色の髪をかくミツルくん。


全くもって悪気が見えない。


聞いてたってことだよね？


だからツヨシが急いできたんだ、可笑しい！！




「笑ってんなよ」




耳元でツヨシがそう言って、その近さにドキっと胸が高鳴った。