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ガチャ…とバーに続く階段のドアが開いて、疲れたようなツヨシが姿を見せた。


わたしはいても立ってもいられなくて、半ば無意識でツヨシの元に駆け寄っていた。


駆け寄るわたしを受け止めるように、飛び込んだわたしの肩にツヨシの手が添えられる。




「帰れって言ったのに」




そう言うツヨシの声は怒っているのに、その顔は嬉しそう。


…今までツヨシの顔をちゃんと見ていなかったんだろうか、わたしは…。


わたしを見下ろすツヨシの瞳は優しくて、待っててよかった…と思わずにはいられない。




「ツヨシ大丈夫？」


「あぁ、悪かったな」




クシャっとわたしの前髪を触る。




「わたし達、どうなった？」





核心的な質問をツヨシに投げると、その優しい顔が少しだけ歪みを見せる。


眉毛を下げて遠くを見つめるツヨシは切なげな瞳をゆっくりとわたしに戻した。




「夏休みの暴走、ダメんなった…。けどお前は参加できるようにもっかい頼んでみるから…そんな泣きそうな顔すんなって」




涙なんて零れてないのに、わたしの頬に涙の糸を指でひくツヨシ。