■ E
その瞬間、辺りがザワついて…―――
キタ!
身体で覚えてしまう、カレ等のまとう空気。
神社の片隅、oneの溜まり場であろうその場所にザッと道が開けて、そこに到着したのはチームoneの総長と特攻と、その女2人。
初めて見る和也くんの浴衣姿に目が釘付けになった。
まさか、特攻全員浴衣で来るなんて思いもしなかったわけで…
付近にいるoneじゃない女子達が、カレ等の登場を待っていたかのように、息を飲むのが分かった。
何を着てもかっこいいというのは、和也くんの為の言葉なんじゃないだろうか?
…和也くんにだけ視線を奪われていたわたしは、隣にいたゆきみを見てヤバイと思った。
わたしの髪型とほぼ被っているその姿に、どうしようもなく心拍数が上昇していく。
しかも今に限って、今日に限ってわたしの髪色は同じような赤い髪…。
でも昨日「楽しみだ」って言ってくれた和也くんはわたしに対しても優しかったから、大丈夫かもしれないし…
そんな葛藤を脳内で繰り返すわたしに、不意に飛んできたゆきみの視線。
わたしを見て口をあんぐり開けた。