■ K



「俺ん家来るか?」


「…うん、早く…」


「クッ、誘うなよな、こんなとこで」




ゆきみの肩に腕をかけて、そのままフワっと顔を寄せる…―――



…生キス、二回目ですけど…。


拓真は本当にギャラリーいっさい無視なのね。


確実にディープキスだろって思うような動きを見せながらも、そのまましばらくキスを繰り返したあと、ケロっとした顔でゆきみを抱えるように抱きしめて歩いていく拓真。





その後ろ姿を見つめるのは、和也くん。


そんな和也くんを見てしまう、わたし。


その後ろ、「ユカリ」聞きなれたツヨシの声に振り返ると、ちょっと傷ついた顔のツヨシがわたしをギュって抱きしめた。


肩に顔を埋めるみたいにわたしを抱きしめながら…「無事でよかった」掠れた声が届いた。







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