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「………」




何かを言おうとして、言葉を飲み込んだ和也くんは、そのまましばらく何も話さなかった。


ゆきみもただ、無言で和也くんの隣にいるだけ。


どうしても、この二人は何かがあるんじゃないかって思ってしまう。


拓真やみんなには内緒の気持ちが、この二人にはある気がしてしまうんだ。


拓真が傍にいない時、ゆきみと二人っきりの時だけ、和也くんは「ゆきみ」って呼び捨てにしている。


そこに意味が含まれていないかもしれないけれど、意味があるようにも思えて…


やっぱりわたしは、それを羨ましく思うんだ。




「ユカリ」




グイってツヨシの腕がわたしの肩に回されて…

あの二人を見つめていたわたしの意識はツヨシに戻された。




「なに？」


「今日は守りきるから、お前には誰も触らせねぇ」




ツヨシはあの日のことを気にしているみたいで、ツヨシが悪いわけじゃないのに、あの日も何度も何度も謝られた。

責任感が強いのも、ツヨシの性格なんだってわたしは思った。

そしてそれもツヨシの優しさに繋がっているものなんだと。


そうやってツヨシがわたしに恐怖心を埋めつけないようにしているのが分かるし、「ツヨシのせいじゃない」って言ったところでカレは納得すらしないから…




「ありがとう、ツヨシ」




そう言ったわたしに、優しく微笑んで「…あぁ」って続いた。