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すごい！

和也くんがふざけたところなんて始めて見た。

あの拓真相手にあんなこと言っちゃうなんて、和也くんってやっぱりすごい！


感動していたわたし、ツヨシの腕が肩をグイって引き寄せた。




「あれ？お前らも来てたんだ？」




優しい口調なのは、恋人がいるからだって、すぐに分かるくらいその顔も表情も優しい総長の友樹。




「お疲れさまッス」




ツヨシと、いつの間にか反対側にいたミツルくんも丁寧に頭を下げた。

チラっと友樹の視線がわたしに飛んできて、思わずドキっとする。

ブラウンのカラコンの入ったその眼は、ほんの少し怖い。

全てを見透かされてしまいそうな気分になる。


だからわたしはツヨシにほんの少し引っ付いたら、わたしの肩に回している手に力が込められる。


…こういうの、守られてる気がして…


もしわたしが和也くんを好きじゃなかったら、ツヨシを意識していたのかもしれない。

でもそんなことは今更有り得なくて、わたしの視線は友樹から外れて当たり前のように和也くんに注がれている。


和也くんは一瞬だけわたしを見て、そのままゆっくりとその視線をわたしの手元に移した。


ゆきみ色の浴衣を手にしていたわたしは、ハッとしてその浴衣を後ろに隠した。


確実和也くんに見られたって分かってるけど、やっぱり恥ずかしい。