■ F
「えっ!? それわたしもいかなきゃダメなのっ?」
「あ?当たり前だろ。お前今日始めてなんだから、顔通しとかなきゃ後でやべぇぞ」
「…やばいのね…」
ゾゾゾゾっと鳥肌がたったのは言うまでもない。
どんな想像をしても、それ以上のことをされる気がした。
「とにかくお前、俺の女ってことにするから、話し合わせろよ?」
「えっ!?ツヨシくんの女?」
「…ツヨシって呼べ。その方が怪しまれねぇ」
そう言うツヨシは、わたしの腕を引いたまま歩き出した。
完全に引っ張られているわたしを連れていくツヨシ。
どうしてか、和也くんたちの方へと歩を進める。
「待って、なんでそっち行くの?」
「VIPに入れるのは特攻以上だから、和也さんに呼んできて貰う」
「えっ、和也くんに…」
「まぁ、あの辺にいる誰かに」
…うそぉ!
ヤバイわたし、前髪変かな?
リップももう乾いてるよ絶対…
でもそんなことじゃこの人は止まってくれなさそうだし。
そんなことを思っていたわたしに、不意にツヨシの足が止まってわたしを振り返った。