■ D
「分かってると思うけど、俺はゆきみ以外興味ねぇ…」
ドクンと心臓が脈打ったんだ。
告白もしていないのに、まんまとフラれたわたし。
自分の口から「好き」と伝えてもいないのに、「NO」の言葉をくれる和也くん。
それは…――――
「メール!」
「お前ツヨシの女じゃねぇのか?」
…怖い。
和也くんはわたしの問題を調べる為に、メールを全部読んだんだ。
それでわたしの和也くんへの想いがバレちゃったって…
だから江美香に言われた時、動揺一つしなかったのかと思うと全部が納得いく。
助けてもらったことを棚にあげる気はないけれど…それだけは読まないで欲しかった。
わたしを見つめる和也くんは、ポケットから煙草を取り出しておもむろに吸い始めた。
ツヨシと同じ銘柄のその煙草。
きっと、ツヨシが和也くんに合わせたんだって、今なら分かる。
そして、和也くんが合わせたのは、きっと拓真。
「あの…」
「俺らを騙してたのかよ」
…不機嫌になった。
そりゃそうだよね。
ツヨシの女ですって挨拶したのに…
言い訳なんてできないって思った。
だから「ごめんなさい…」そう言って深く頭を下げた。