■ C
「あの…」
「なんだよ」
「…いいんですか?」
「なにが」
「ゆ、きみ…先輩…」
「別に、拓真さんいるし、平気だろ。俺の出る幕じゃねぇよ。余計な心配すんなよな」
ちゃんとわたしの質問に答えてくれる和也くんは、思いのほか機嫌が悪そうでもなかった。
余計な心配すんな…そう言ったから。
不機嫌な和也くんだったなら、「余計な詮索すんじゃねぇ」ぐらいは言われたと思う。
わたしのこと、ちょっとは認めてくれているんだろうか?
だとしたらすごく嬉しい。
「はい」
そうしてわたしを乗せた和也くんのバイクは、早々に倉庫から出て行った。
街道を走り抜けて向かうはわたしの家。
でも、和也くんは家の近所にある小さな公園前で止まって、そこにバイクを停めた。
そういえば「話がある」って言ってたことを思い出して…
無言でついていくわたしに向かって、止まった和也くんが、とんでもないことを言い放った。