■ D
「さっさと決めろ。ユカリに謝ってもう二度とこんなマネはしねぇって誓うか、ここで男にヤられるか、どっちかだ」
そんな選択を江美香につきつけた和也くん。
江美香はもうわたしに対する怒りよりも今ここにある恐怖心のが大きいって分かる。
江美香を見てればそんなこと分かるし、和也くんはいつだって本気だ。
冗談っぽくてもふざけていそうでも、ウソっぽくても、和也くんは絶対本気で言ってる。
ジリジリ近づく面子たちから後ずさりしながら、江美香はわたしに向かって「ごめんねっ」そう叫んだ。
それなのに、「おい!」そう和也くんが言った言葉に対して、白井さんが江美香の両腕を掴んで頭を下げさせた。
「イヤ―――! 離してっ!」
泣き叫ぶ江美香の頭を尚も押して、地面に頭がつくくらい押して「ちゃんと謝れ!」そう怒鳴った。
「和也くんもういいです、もう…」
「黙ってろ」
わたしの頼みも聞くきがない和也くんは、そのままわたしを離して江美香に近づいいく。
「来ないでっ、やだっ!」
叫ぶ江美香の声なんてお構いなしで、和也くんは白井さんに押されて地面に顔面つけている江美香の髪をグイっと引っ張った。
「二度とすんじゃねぇぞ。次はねぇからな、クソ女っ!」