■ A



「…ユカリがメール無視したから。ユカリがあたしのメール無視して、聞いたら他の子のメールも無視して…それなのにツヨシくんと付き合ってるとか…」




やっぱり、江美香だったんだ。


わたしは、自分のせいで江美香をこんな風にしてしまったんだと。


なんとも言えない気持ちだった。


あの時ちゃんとメールを返してれば…




「お前のメールはこいつの心配じゃなくて、チームのことを詮索するような内容だった。チームに入ってねぇ奴に教える必要はねぇって俺がこいつに指示したから返さなかったんだけど」




えっ!!

わたしが和也くんを見ると、ド至近距離で和也くんもわたしを見つめる。


そんなこと言われてないし、それって…


聞きたいことは色々あるんだけど、距離があまりに近すぎて何も聞けない。


しかも、肩を抱く腕に力を込めるから、少し、また少し和也くんとの距離が縮まっていく。




「…でも、何も返さないっていうのは…」


「それはお前も一緒だろが!お前だって都合のいいことの返事は何も書いてねぇだろ。自分棚に上げて文句ばっか言ってんなよ、クソ女」


「か…和也くん?」


「ユカリは黙ってろ」




…はい。


わたしのメールボックス全部見たの?


だってあのメールボックスには、それは見られちゃ恥ずかしいようなことも、いっぱい保存されているし、何より…――――






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