■ D
和也くんに続いてこの部屋に入ってきたのは全部で10人。
10畳の部屋も、男10人増えるとあっという間に隙間が埋まって、ちょっとだけ息苦しい。
どの人もイカツイって言えば伝わるだろうか…外見怖い!って思えるような人ばかり。
「白井これどう思う?」
「ん〜この手の陰湿なタイプは、たぶんっすけど、主犯は女っすよ」
そう言いつつ、総長友樹たちとよく一緒にいる白井さんがわたしを見た。
「最近何か揉めたりしてねぇ?」
「…いえ」
「よく思い出せ?心当たりが全くねぇのにこんなことになんねぇぞ」
強く言われて考えた。
わたしによくない印象を持っている人…
「学校の奴等は?元中の奴等は?地元の奴等は?最近誰か接触した女いねぇ?」
白井さんの言葉にふと浮かんだ江美香。
それはツヨシも一緒だったみたいで、わたしの隣で「あ」って声を漏らした。
見つめ上げるツヨシは苦笑いを浮かべていて…
「どうした、ツヨシ」
和也くんに聞かれて、「あー…」って声を出した。
「あの、じつはこの前元中の友達に会って…」
わたしの言葉に和也くんの視線が更に鋭さを増した。