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「今どこにいるんだ?」
携帯越しに聞こえた和也くんの声に心が震えたことを、わたしはきっと隠しきれていないんだと、ツヨシを見て思った。
テレビをつけているのに、誰も何も喋らなくて…
だからわたしが喋らなきゃいけないんだって思った。
みんながわたしに気を使っているのが分かる。
「あの、ごめんね、わたしのせいで…」
「はぁ!今更何言ってんのよ」
「だって…」
「ちょっと男二人!なんて顔してんのっ!?二人共それでもあたし達を守る気はあるわけ?」
沙和の声にミツルくんがほんの少しホッとしたような顔を見せたのをわたしは見逃さなかった。
立ち上がったミツルくんは、わたしと沙和の前まで来ると、その腰を下ろしてわたしを見つめた。
スッと頭を撫でるミツルくんに、キョトンとしてしまう。