■ L
頬に手を添えるツヨシ、ゆっくりとわたしに顔を寄せて…
小さく触れるだけのキスをくれた。
「もう行け」
「ツヨシ…」
「ん?」
「好き」
「…オレも」
もう一度近づくツヨシに、そっと瞳を閉じたら、ちょっとだけ深いキスが降りてきた…。
目を閉じて心の中でまたツヨシに伝える、「大好き」と。
和也くんが相手じゃなくても、幸せでいられるんだって。
わたしの幸せはツヨシなんだと、実感したんだ。
でもそれは単なる嵐の前の静けさとかいうもので…
和也くんにどんなに嫌われようが、怒られようが、
…―――離れられないのかもしれない。