■ K
そう言うツヨシの気持ちがわたしに入り込んできて、胸が熱くなった。
知らないうちに和也くんと比べてしまったことを後悔する。
ツヨシはツヨシで、和也くんじゃないのに。
わたしはそんなツヨシを自分で選んだはずなのに、都合の悪い時だけ和也くんを引き合いに出してしまうなんて…
…なんてバカな女なんだろう。
「ごめんなさい」
わたしがそう謝ると、ツヨシはその温かい温もり全部でわたしを包み込んでくれた。
「ユカリのせいじゃねぇ。オレが未熟なだけ」
チュッてオデコにキスをくれるツヨシは、ドームの中と同じような熱を帯びた瞳をわたしに見せている。
瞳の奥にあるツヨシのエロスさえも見えた気がして、わたしはドキッと胸が高鳴った。
「じゃあ海まで待つから、いっぱい愛をくれる?」
「あぁ」
「約束?」
「するよ」
「うんっ!」
ゆっくりツヨシから離れると、家の前にある壁に背中をドンッとついた。