■ B
なんで江美香とツヨシが知り合いなんだろう?
そんな疑問がわたしの中に生まれていて、江美香がわたし達の後ろ姿を強い視線で見ていたことなんて、気づきもしなかった。
「江美香、知り合いなの?」
「知らねぇよ」
「あっちは知ってたみたいだけど?」
「同じ学校かもしんねぇ」
「えっ!?」
「あんな奴もいたかもしんねぇ」
「ウソ…」
「ユカリ?」
「待って!ツヨシってどこ高?」
わたしの言葉に、今更ながら眉間にシワを寄せるツヨシ。
それもそのはず、平日は当たり前に制服姿でわたしを迎えに来てくれていて、その制服を見た時に気づくべきだったんだ。
「S高だけど…」
そこは、和也くんの存在を知る前に、わたしが行こうとしていた高校だった。