■ C
小さなドームの中に流れる静かな曲と、ナレーションをBGMに、わたし達は慣れないキスを繰り返している。
わたしの上に乗っかっているツヨシは、時々ギュウってわたしを抱きしめたり、かと思えばわたしを自分の上に乗せたり、起き上がってドームの壁に押し付けられたり…
心地良い快感に自然と息があがるわたし達は、小さなドームの中を、その甘い吐息でいっぱいにしていく。
ほんの一瞬見つめ合ったままツヨシの手がわたしの頬を撫でて、その手がそのままわたしの唇をスッとなぞった。
まるでスローモーションのその動きに完全に魅了されるわたしは、されるがままツヨシの指が唇を開けた状態…
ツヨシが何をしたいのか、何となく分かったから、また胸の奥がキュンと疼いた。
無言でわたしに近付くツヨシの表情に強烈な色気を感じた瞬間、わたしの中にツヨシの舌がニュル…っと入り込んだ。
感じたことのないこの感覚に、わたしはどうすればいいか分からなくて…
ゆっくりとわたしの口内で動くツヨシの舌を、ただ受け止めていた。
「…気持ち悪い?」
「えっ?」
「舌、入れて欲しくねぇ?」
「…そんなことないよ」
「今“間”があったぞ」
わたしの上から下りたツヨシは、わたしを自分の膝の上に抱き上げて、背中にギュっと腕を回す。
向かい合って抱き合っているわたし達は、プラネタリウムなんてもう脳内にはない。
ツヨシを見下ろしているわたしは、ツヨシの赤い髪をそっと撫でた。