■ C
ストップって感じ、さっきよりも赤さを増した臣の頬が目に入る。
その色はわたし達の髪と同じくらいの赤い色。
大きな手がわたしの顔を覆って、残念ながら臣が今どんな顔なのか見えない。
「臣」
「待て、待て…」
「…なんで?」
「色々あんだよ、男には…」
ふう〜って大きく深呼吸を繰り返してから、臣は手を下げてまだ赤めの顔をわたしに見せた。
「臣がわたしのせいで苦しいの、もう嫌なの…」
「やっぱ分かってねぇな。お前のせいでも、お前のタメでもねぇんだよ…。オレのタメにオレが好きでしてんだ。分かったか?」
納得いかない顔を浮かべるわたしを、頭に手を乗せたまま覗き込む臣は、さっきとは違って少し余裕な口元を浮かべている。
その表情が色っぽくて、ほんの少しドキっとする。
「分からない」
「分かれよ」
「分かっ…」