■ H
「広臣、ふざけんなっ!お前等もうしばらく来んじゃねぇっ!」
すごい剣幕の直人くん。
肩を揺らしてわたし達を怒鳴りつけた。
こんなつもりじゃなくて…
こんな風になるなんて思わなくて…
ただ直人くんにわたしを見て貰いたくて…
「臣、どうし…
「黙ってろっ!」
腕を掴むわたしにそう言う顔は真剣で、わたしのお遊びに付き合ってくれている臣はいつだって真剣で、その気持ちを無視することなんて、できそうもない。
こんなことしたら臣が怒られちゃうって、どうして分からなかったんだろう?
仮にもわたしは臣の彼女って設定だから。
女のしたことに責任をとるのは当然ながら男のケジメで。
もう黙ってることなんてできないんだって…。
「直人くん違うんですっ!!」
「ユカリッ」
臣が振り返って、わたしの口元に大きな手を当てて言葉を塞いだ。