■ J
途端に臣がピシっと背筋を伸ばして…
つられてわたしもシャンと立った。
たった数歩の距離を縮める度に、何だか分からないビームが出ているのか、わたしは直視できなくて俯いてしまう。
「おい、顔上げろ」
耳元で小さく臣がそう言って、その声に仕方なく顔を上げたら、わたし達の目の前、哲也が突っ立っている。
「お疲れ様っす。こいつ、俺の女です」
グイって臣がわたしの肩に腕を回して抱き寄せてそう言う。
内心超吃驚したけど、ここをうまくやらなきゃ、わたしは生きて帰れないかもしれない。
そんなことされるわけないのに、そんな想像をしてしまうのは、最高潮、緊張しているからなんだろうか?
直人くんと同じ赤い髪の哲也は、その強い視線をわたしに向けた。
射抜かれたかのような、その目に、わたしは臣が肩を抱いていてくれなきゃ倒れてしまったかもしれない。
「名前は?」
「はいっ…ユカリです…」
ほんの一瞬哲也の目が大きく見開いたものの、すぐに元に戻って小さく頷いた。
「タカヒロの女と、俺の女は、何があっても守れ!それが俺らoneのルールだ。できるな?」
何て答えればいいのか分からなくて。
知っていたことだけれど、実際面と向かって言われたら、どう答えれば…