■ D
バババババババ…
ヴォヴォヴォヴォヴォヴォ…
地響きがするかのようなそこ、倉庫に着いたのは夕方の六時を過ぎたころだった。
八時ジャストの暴走を前に、既にそれを待ち望んでいるoneのバイク隊たちが誇らしげに改造したエンジンを弄っている。
あまり多くはないけれど、ちらほやと女子の姿を見るものの、気迫が違うというか何というか…。
彼氏に引けをとらない気合の入ったメイクに何だか圧倒されそうだった。
「おい、あんまチョロチョロすんなよ」
前を歩く広臣くんが振り返ってそう言う。
わたしが「うん」って答えると、少しだけ口元を緩めた。
完全に初めてオーラを出しているのか、ただの自意識過剰なのか…歩くたびにみんなに見られている気がしないでもなくて、今更ながら恥ずかしくなった。
広臣くんの半歩後ろを歩くわたしに、不意にドンっと衝撃が走る。
「あたた」
「悪りぃ」
申し訳なさそうにわたしに目をやる広臣くんは、少しだけ困ったような表情を浮かべていて…「どうかした?」そう聞くと、ゆっくりと視線をずらした。
だだっ広いこの青い倉庫は、奥まで行くと、屋根のある広間があって、その広間の一番奥に地下へと続く大きなドアがあった。
その手前、屋根のついた広間の奥に何個かランダムにソファーが置いてあって、そこにいるのはそう…直人くんたち。
一瞬で、胸が爆弾のように跳ね上がった。