出逢い1
「合コンはちょっといいかな…」
「そんなこと言わずに、一緒に来てください!人数足んないし!ね?」
…人数合わせに誘われた合コン。
会社の後輩に無理やり行こうって誘われたものの、乗り気はしなかった。
そもそも男と付き合うことに対していい思い出がない私は合コンなんて苦痛でしかないんじゃないかって。
特に合コンなんて場所は男女が付き合う前提での出会いの場であって…
「憂鬱…」
小さく溜息をついた。
冬を超えて暖かくなってきた今日この頃、私の心は今だに冬のまま。
ただこれといって特に春を待っているわけでもなく。
前に進もうともせず、ただこの場に佇んでいるだけの自分が嫌になってはいるものの、この一歩を踏み出すことができずにいた。
周りはどんどん結婚が決まっていくなか、一人ぽつんと取り残されたような気持ちになるのは今に始まったことじゃない。
それを仕事に置き換えてひたすら無心で仕事をしていたら、いつの間にか俗にいう「お局」って域に片足突っ込んでいる自分がそこにいたなんて。
そもそもこの合コン自体、誰も私に期待なんてしていないだろう。
後輩たちの娯楽に仕方なく付き合う覚悟を決めた私に、あんな運命の出会いが待っているなんて思いもしなかった…―――――
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