「広臣に言われると嬉しいかも…」
だからなんだろうか、私も広臣には素直になれて。
こうやって思いを伝え合うことが、恥ずかしくもないし、そうあるべきだって広臣に出逢って知った。
知ったというか、気づいた。
「も〜早く食おうぜ!」
私のお皿にどんどんもつを入れていく広臣。
美味しいご飯も、広臣との熱い夜を前にするともどかしいくらいの時間で。
「早く食べて早く帰ってどうするの?」
分かりきった答えをあえて口にしても広臣も分かっているだろうから笑っている。
「はい、あ〜ん」
もつを私の口に入れると「色々するよ」ハッキリ口にする広臣も愛おしい。
何だか可笑しくて。
こんなことを言い合っている恋人達は世の中にどれ程いるのだろうか。
まだ出逢ってそれ程の時間を一緒に過ごしているわけではないけれど、私が広臣を選んだことは、日を重ねるごとに正しかった…って確信が出てくる。
もしかしたらあの日、サッカーに行ったことが私達の運命だったんだって。
「色々かぁ…」
「うん。だから言わせないから…―――」
「え?」
「かわいいなんてね」
ニヤっと口端を緩めてえくぼを見せる広臣。
――――その言葉通り…。
やっと広臣の家に辿り着いた私達。
広臣の大きな身体に抱きしめられて胸がキュンっとする。
「やっとユヅキに触れられる…」
「広臣…」
「…好きだよ」
頬を包み込まれて甘い台詞。
目の前にいるのはどっから見ても男の顔した広臣で…
「私も、大好き…」
甘くて熱い夜の始まり…―――